人文地理学・自然地理学Ⅱ
(国際学部は人文地理学、経済学部は自然地理学Ⅱ)

担当:近藤昭彦


はじめに

地理学では「人文地理学」、「自然地理学」をあわせたものが「系統地理学」となります。地図学、地理学史とあわせた全体が「地理学」です。人文地理学と自然地理学ではそれぞれ扱う範囲も異なりますが、実はずべて関係しています。地理学の対象はこの世の中の全ての事象であり、あらゆる事象は様々な要因が絡み合って出現し、時には“問題”として社会のなかに顕れます。様々な要因と関係性を見通す眼こそ、現在を理解し、未来を展望することができる力の源です。
この講義では“脱線”を旨とします。脱線といっても、線路から外れてしまうわけではなく、様々な関係性の支線があることをみなさんに伝えるための脱線です。シラバスで内容が決められ、教科書に沿ってシラバス通りに進めていく講義は、実は高校までのやり方です。多様な世界を理解するためには、様々な関係性を見抜く力が必要ですが、関係性全てを講義で語り尽くすことはできません。むしろ毎回の講義における一回限りの思いつきを話すかもしれません。でも、学生諸君は関係性を発見する楽しさ、重要性に気づいてほしいと思います。
教科書は古今書院「みわたす・つなげる人文地理学」を使います。これは前期に使った「みわたす・つなげる自然地理学」とペアになっており、相互参照できますので、活用してください。教科書には指定していませんが「みわたす・つなげる地誌学」も購入して読んでいただけると理解が進むと思います。
【第1話】人文地理学とは何か
【第2話】人口
【第3話】資源・エネルギー
【第4話】農林水産業の立地と分布
【第5話】工業化と経済発展
【第6話】流通と交易
【第7話】ネットワークと社会
【第8話】観光と地域
【第9話】集落の形態と構造
【第10話】都市と社会
【第11話】開発と地域
【第12話】国土政策・地域政策
【第13話】環境問題
【第14話】世界と日本-「国家」の地理-
【第15話】地理学と社会

能登半島地震(2024年1月1日)

元日に発生した能登半島地震に関する諸機関による情報は直ちにWEB上で共有されます。大きな災害や事故が起きた時は、わがこと化して、状況の理解に努めてください。それが生きる力を育みます。そして、被災した方々に対するエンパシーも醸成され、社会を良くする力になると思います。

能登半島豪雨(2024年9月21日)

地震で大きな被害を被った能登半島で大規模な水害、斜面災害が発生しました。人々の苦境は想像するにあまりあります。能登半島で暮らす“ひと”の立場で現状や未来を考えてください。 私たちは安全な場所にいて、様々な情報に接することができますが、それらの情報がどのような立場で、誰に向けて発信されたものか、考えることは災害の現実の理解に役立つと思います。それによって、災害における自分の役割を意識することができるようになると思います。前提は、苦しんでいる人々が苦しみから解放されること、どのような地域を創るか、地域をサポートする政府の役割は何か、自分の考え方を持つことです。地理学の知識、経験が役に立つと思います。

1 人文地理学とは何か

初回はオンデマンド講義とのことです。まず、教科書「みわたす・つなげる人文地理学」の第1章をじっくり読んでください。高校までの地理は指導要領が決められており、どちらかといえば受動型の授業でした(アクティブラーニングは重視されています)。大学の地理はこの世のあらゆる事象を扱います。この世(すなわち、人と自然の関係する外部である“環境”)を構成するあらゆる要素、要因と関係性を見抜く力を養います。地理学を通じて多様な視座と視点、幅広い視野を身につけるように心がけてください。

講義資料(PDF)

地理学では様々な地図を使って地域の理解を深めます。WEBで使えるページが充実していますので、紹介します。活用してください。たくさんありますが、少しずつ追加していきます。

参考資料


2 人口

講義資料(PDF)

過疎の話をしました。参考文献を紹介します。田舎はけっこう強いのだ!

モンサント社のGM菜種の話をしました。事実関係は下記の農研機構の記事を参考にしてください。その後のモンサントはどうなったか。WEBで検索するとたくさんの記事が出てきます。正しい情報を自分で探してください。

人口統計については、まずは下記の総務省統計局の人口推計のページを参考にしましょう。都道府県、市町村の人口データはそれぞれのホームページでみつけることができます。世界の統計は下記のページから検索してください。


3 資源・エネルギー

講義資料(PDF)

参考資料


4 農林水産業の立地と分布

講義資料(PDF)

参考資料


5 工業化と経済発展

講義資料(PDF)

 考えよう

京葉工業地帯の成立過程

千葉県の東京湾岸には京葉工業地帯が立地し、日本の高度経済成長に大きく貢献した。その背後で何があったのか。例えば<京葉工業地帯 埋め立て 漁業権> で検索してみよう。いくつかのページがヒットする。その内容から海辺に暮らす人々に何が起きたのか、想像することができるだろう。

12 国土政策・地域政策

講義資料(PDF)


13 環境問題

講義資料(PDF)


特別講義

講義資料(PDF)