ドローン農業に関する研究会を開催しました。参加者は60名、登録者は74名もありました。初めてドローンを知ってから、何とか農業に役立てたいと思っていましたが、若者たちが頑張ってくれました。これで安心して引退できます。その冒頭の挨拶をメモしておきます。


開会挨拶

 本日は「スマート農業のためのリモートセンシング技術に関する研究会」にお集まり頂きありがとうございました。この研究会も2回目を開催することができましたが、そこには縁というものを感じます。
 千葉大学は工学部で国産ドローンの開発を進めていましたが、原子力災害の現場におけるデモフライトの仲介をしたときに、ドローンを初めて知りました。
 福島では国の仕事もしていましたが、規制庁の委員会で地図センターから出向していた田中圭さんに再開し、ドローン談義で盛り上がりました。
 その後、自分でもドローンを購入し、農業へ応用したいと考えていた時に参加した農環研主催のシンポジウムで千葉県農林総研の鶴岡さん、望月さんに出会いました。
 その頃、濱さんが大学院に入ってきてドローンに取り組む中で、田中さん、濱さん中心に築くことがで来た縁が今日お集まり頂いた皆様です。
 皆様と新しい時代の農業を拓いていきたいと思っていますが、私は農業には二つの側面があると思います。
 それは①稼ぎ(ビジネス)としての農業と、②地域や暮らしを造る農の営み、の二つです。私は後者に軸足を置き、前者も見据えたドローン農業を創っていきたいと考えています。
 地産地消、地域でカネや資源を循環させる地域経済、といった時代の流れは地方創生の政策の中で確実な潮流となっていると思います。そして、それをコロナ禍が加速しているともいえます。
 技術というものは生産の現場で農家さんに活用されて、初めて意味を持ちます。ドローンはその段階に近づいてると思います。
 ポストコロナの、これまでと違う社会を創る営みの中にドローン農業もしっかり位置づけたいと思っています。
 本日は長丁場ですが、よろしくお願い申し上げます。

 ドローンの農業への応用は競争より共創で実現したい。一番強靱な生業は農業であり、兼業がその安定性を増すと思っているからです。地域経済圏を強化することによって、強い地方を生み出し、都市と農村の関係をこれまでとは違う形にしなければならないと思っています。なんといってもドローンはおもしろい。農の営みをさらに楽しくすることができる。もちろん、ドローンが無くても農業はできるが、楽しんで、自慢の作物を生産することができれば、それが生きがいの実現でもある。もう、ドローン技術はそんな段階に到達していると思う。もう一歩である。まず農村を強くしたい。そして都市と農村を対等にして、人が相互に行き来できる社会こそ、私が想う未来の社会である。この考え方は10年前に原発事故に際して農村計画学会に提出したステートメントと変わっていない。社会の底流と同じ方向を見つめているような気がしているのだが、最近その想いはますます強まっている。せっかく成長した技術を競争の弊害で埋もれさせたくはない。そんな兆候もあることが心配でもある。