村尾技建イブニングセミナー M-JUKU

2024年7月17日、24日、31日の3回にわたり、地下水に関する基礎講座を開催します。地下水を理解するコツは、①現場に即して地下水を見る眼を養うこと、②地形・地質と地下水循環の相互作用を理解すること、だと思います。①は地下水の基礎(普遍的な知識)をベースに置いて、地域ごとの違い(個別性)を認識すること、②は地下水のあり方を総合的、包括的、俯瞰的に見る、その際に重要な観点が地質と地形であるということです。地下水のあり方は人間生活とも関わります。そこで今回は災害をとりあげ、3回の講座を準備しました。

7月17日 地下水の基礎

地下水を駆動する力は水理水頭(hydraulic head)です。地下水面における水理水頭は位置水頭になるので(圧力水頭はゼロ)、地下水面の位置水頭が地下水を駆動する力となると考えて良いでしょう。地下水面の盛り上がりを解消するように、地下水面が変形するのが地下水流動と考えるとわかりやすいかも知れません。そして地下水は3次元の流れの場の中を流動します。その場は、地質構造や堆積構造によって複雑な構造を呈していますが、地層形成のメカニズムを知ると想像しやすくなります。よって、地下水面を決める地形、流れの場を決める地質の条件の下で形成される地下水流動系の性質を理解すれば、あなたは一流の地下水技術者です。

7月24日 地質・地形と地下水

今日のポイントは、 地下水の流れを地質、地形、水文の相互作用として捉えることです。特定の専門分野のみに依拠しても、現場は見えてきません。現場における事象はあらゆる要因が積分されて顕れているからです。このことを、下総台地の水文地形を例として説明したつもりだったのですが、少し難しかったかも知れません。対話をすることができれば、理解を深めることができると思います。質問をお待ちしています。

7月31日 災害と地下水